broncolorの専属フォトグラファーJessica Kellerがスイスから来日し、ライティングセミナーを開催しました。

ブロン製品を熟知した彼女のテクニックを、実際に撮影しながら説明してもらいました。
撮影のヒントとして、その様子をご紹介いたします。



◆ipad(反射物)の撮影

broncolorスコロ3200Sを使用。



1つめのライトはipadのフォルム輪郭を映し出すために、下からソフトボックス1灯で照射。
2つめのライトは画面に効果的なグラデーションスポットを入れるために、上においたカポックに反射させる方向でパルソGヘッド(P70リフレクター+ハニカムグリッド)を使いました(左右2灯)

 

1つ1つのライトの役割は個別に作りこみができましたが、全てmixさせて発光させると反射物のため不要な反射があったりすることがあります。
ソフトボックスから出た光がカポックに反射することを消すために黒フラッグを活用しようとしましたが、これをカポック下に置いてしまうと、もちろん2つめのスポットライトはカポックに反射させられないことになってしまいます。

そのためスコロ3200Sの発光遅延の機能を使い、1つめのライトをと2つめのライトを別々に発光させて、それを1枚の写真におさめました(長いシャッタースピード)

1回目のフラッシュで黒フラッグを入れて下からのソフトボックスの光で撮り
2回目のフラッシュは黒フラッグを外してスポットの効果を出しました。
(2回のフラッシュが1枚の写真のなかに入るようにシャッタースピードは5秒に設定)



別撮りした写真をphotoshopで重ねるイメージを、このようにスコロ3200Sなら一瞬の設定変更で出来てしまいます。
重ねた場合のイメージもすぐに目視できるので、作品の追い込みもより深めることができますね。



◆シロスL(被写体)をシロスSで撮る

話題のシロス400L/シロス800L(バッテリー内蔵)を日本初お披露目いたしました!
フル400Wsで440回発光、2段下げれば1700回以上、急速充電70分、色温度の一定など、高性能なモノブロックストロボに屋外ロケ用ユニットが新登場。
さっそくこの新製品のご紹介も兼ねて、撮影をしました。



黒い背景に黒い被写体を撮影。
大きなソフトボックス120x180の中心に黒フラッグを置いて、その前に被写体を置きます。
こうすることで枠(リング状)のような4方向からの光(4灯使ったような効果)が被写体の曲線のフォルムや輪郭をきれいに映し出します。



また、broncolorのロゴ文字を際立たせるためにハイライトを入れたいところですが
ソフトボックスを使うと明るくなりすぎて本来の黒色文字ではなくグレーになってしまいました。
そこでパルソGヘッドにP70リフレクター+グリッドでライティングしスポット光に。

背面の操作パネルを撮るときには、被写体自体の発するLED表示を映し込むためにシャッタースピードは4秒など長めに設定します(そのためモデリングランプは消します)





◆ソフトボックスの活用 -ポートレート撮影-

ソフトボックス=柔らかい光?
いいえ、ソフトボックスは使う距離、方向によってハードライトにもなります。

光源が小さい=ハードライト、ということは同じソフトボックスでもモデルの近くにおけば(モデルから見た光源の大きさは)大きな光源(ソフトライト)となり、遠くに置けば小さな光源(ハードライト)になります。


ソフトボックス35x60、60x100をそれぞれ使いテストしてその効果を比較しました。
遠くから照射すると影が強く出てハードライトになるほか、狭いスタジオでは環境のまわりの反射があるため背景にも光がまわってしまいます。

 

モデルのすぐ近くにソフトボックスを置く場合はソフトになり、背景にも光がまわりこみません。
 

肌にあたる光のグラデーションや、アイキャッチの大きさも全く違います。
このようにモデルの位置がそのままでもソフトボックスのサイズ、位置により全く違う効果を得ることができます。



◆新製品ビューティーボックスの活用

ソフトライトリフレクターPソフト(オパライト,銀オパとよく呼ばれるもの)という内側銀のリフレクターや、
ビューティーディッシュというPソフトの内側が白いもの(白オパと呼ばれることも)が今までありましたが、
それと同じ形をしたソフトボックス、ビューティーボックスを使います。



ソフトボックスの素材のため、ビューティーボックスは折りたたみ可能&軽量です。
内側が白、カウンターリフレクターは白とゴールドから選べます。オプションでグリッドもあります。
カウンターをつければビューティーディッシュのようでもあり、ディフューザーをかければオクタボックスのようにもなる、1台2役のアクセサリーです。

これをトップライトとして使い、顔の上半分のグラデーションを映し出します。
モデルの立ち位置が僅か半歩前後するだけで、またポージングを多少変えるだけで、影の出方やライティング効果が変わってきます。

 



Q:カウンターリフレクターのゴールドどういうシーンで使う?
色温度が少し下がるため、ポートレートで肌のトーンを暖かめにしたいときなどに使えます。

Q:ビューティーディッシュ(白オパ)との違いは?
ビューティーボックスは折り畳みができるため屋外ロケでも使いやすいのでスポーツフォトにもお勧め。
厳密なコントロールしクオリティ求める撮影やスタジオ撮影ならばビューティーディッシュのほうが良いけれど、予算次第かなと(笑)


トップライトをソフトボックス30x120のストリップマスク付きにしたりして、比較しました。


中心から左右に影が落ちていくというムーディーな雰囲気になり、このようにソフトボックス種類を変えるだけで効果も変わるので色々試してセレクトしてねとジェシカさん。



◆パラ133 ストロボでスチル撮影 →→ 一瞬でムービー撮影セット(HMI)に変えられるFTシステム

パラFTシステムの活用により、パラ本体をそのまま動かすことなく、スチル用の(ストロボ)セットからムービー用(HMI)ランプに差し替えすることができます。同じイメージのままショートムービーも撮りたいときや、タレント撮影でセッティング変える時間がないタイトな撮影のときに便利なセットです。



◆パラ177 の3Dライティング、24面の光をきちんと活用する(距離が大事!)

パラは使う距離が大事。

モデル位置からパラ内側のモデリングの反射を見ます。
モデル位置からパラが遠くに離れるほど、中心にあたっている反射がだんだんと外側(エッジ)にあたります。
 

このパラのエッジ部分に光があたっている状態が、パラ直径を活かして最大限使えている状態ということになります。
※左側のようにあえてフォーカスで使うことももちろんあります(よりハードライトとなり大光量が得られます)


上半身の撮影、ソフトボックスを背景にして撮影(白背景はとびきらないRGB245)

パラ177を正面でストロボヘッドをディフォーカス位置で使用。
パラは光が24方向からまわりこむため、目の前にカメラマンが立ってもモデルに影が落ちません(ソフトボックスならば影が出てしまいます)
広く照射するライティングなので、ポージングや動きにライティングが左右されず撮影ができます。





◆HMIとフラッシュ mix光での撮影

HMI400を背景にあたらない角度で照射
パラ133(フラッシュ光)は離れているところから照射のためフォーカスポジションで使用。

 

モデルの動きを止めたいので閃光時間を早くしたいが、絞りたい。
そんなときパラのフォーカスポジションは大光量になるので魅力(ソフトボックスでは不足)

シャッタースピード3.2秒でスコロの発光遅延機能を使ったり、
連続発光3回(発光間隔を1秒で)など使い長時間露光+HMIによる照射で軌跡を撮り、3回のフラッシュでモデルの表情はきちんと止めて映し出しました。






◆テニスボールの瞬間撮影
粉をまいたところにテニスボールをバウンドさせて、粉が舞い上がる瞬間を撮ります。
サウンドトリガーを使い、バウンドした音をひろってトリガーさせます。


バウンドした着地の瞬間よりも一瞬後の粉が舞い上がったところを撮りたいので、ここでスコロの発光遅延を使います。
全暗でシャッタースピード4秒、バウントさせた0.04秒後に発光、
撮影はこの1フラッシュで撮れていますが、サウンドトリガーがこの4秒内に他の音を拾って発光してしまうリスクを除去するため、わざと連続発光2回に設定し2回目の発光を遅延設定4.2秒後(シャッタースピード4秒なので)とすることで音を拾っても4秒内には発光しないというワザには、細かいけどなるほど~と唸りました。






ワイングラスの作例 も同じセットで撮影されたものです。


これらのヒントをもとに、ぜひブロンカラーの豊富なリフレクターやアクセサリーを実際にお試し下さい!
ブロンスタジオではブロンカラー機材を半額でレンタルしてご利用頂けます。

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